(1型)糖尿病と生きる

1型糖尿病の血糖値管理録。発症14年。合併症はまだない。

Libreを使い始めて その2

前回はLibreの概要と、購入するに至った理由について触れました。


どうやって購入したのか、使い始めるにはどうしたらいいのかを解説していきます。

 

Libreの使い方

 購入

日本では厚労省の認可はおりたそうですが、点数をどうするのか、SMBGに対してどういう位置付けにするのかについて結論がついておらず、保険収載がいつになるのか全く見当がついていない状況のようです。来年になるか、再来年になるか。。。

Libreは欧州では一般向けに販売されており、Abbottのホームページに直販サイトも用意されています。しかし、これらには欧州各国以外の国からはアクセスできないようになっており、もちろん直販サイトからの購入や発送はできません。

 

そこで、世界中のモノが集まるeBayを見てみると、こんな感じです。


1.5倍から2倍の価格で流通しているようです。

私はというと、どこで購入したかは言いませんが、定価の1.6倍で購入しました。高い高い。

 

準備

本体の言語と単位は後から変更できない

Libreはセンサーと本体が別に売られており、両方を揃える必要があります。

本体の方は、他のFree style SMBGシリーズのSMBGセンサーを利用して血糖値も測定できるスグレモノです。

しかし、注意したいのは、言語と単位です。

言語設定と単位(mmol/Lかmg/dLか)は本体ごとに固定されていて、後から変更できないのです。

例えば、「英語しか読めない!」と言ってEnglandバージョンを買ってしまうと、単位が「mmol/L」になってしまって、大変使いづらいものになってしまいます。

逆にドイツは「mg/dL」表記ですが、果たしてドイツ語読めるのか....

とはいえ、言語を読めなくても、やることは、腕につけたセンサーにかざすだけなので、それほど困らないと思います。

単位についてもmmol/Lからmg/dLの変換は18をかけるだけですので、すぐに感覚的に慣れると思います。

センサーはどこの国でも同じように使える

本体とセンサーの販売国が違っていても同じように使えるので心配いりません。センサーには単位の別もありません。

実は本体は必要ない

なんと、本体がなくてもCGMFGM)データを吸い出すことができるのです。

それにはNFC対応のAndroid端末が必要です。

Libre向けのAppは色々公開されていますが、以下の2つがオススメです。

  • LibreLink
  • Glimp

LibreLink - Google Play の Android アプリ

Glimp - Google Play の Android アプリ

LibreLinkはAbbott公式の無料Appです。こちらをインストールするには、欧州のサーバを経由する必要があり、Hotspot ShieldのようなVPNアプリが必須です。

VPN Proxy 無料 -フィルタリング, ブロックを解除 - Google Play の Android アプリ

Glimpは無料の非公式Appで、単位も自由に選べますし、SMBG値・インスリン量・カーボ量なども入力できます。ただGUIはダサいです。
LibreLinkはLibreの本体(reader)と同じく、センサーの値を自動で補正して表示してくれます。つまり補正が要らない、キャリブレーションフリーです。対して、GlimpはAbbottが開発したキャリブレーションフリーシステムの恩恵に授かれないので、読み取ったデータは若干誤差があります。不定期にSMBG値を入力してあげることで、補正する仕組みになっています。

LibreLinkでスターティングアップしたセンサーをGlimpで読み取ることもできますが、GlimpでスターティングアップしたセンサーはLibreLinkでは読み取れないので注意が必要です。

また、Glimpは、ネット上にCGMデータを保存して閲覧できるCloud CGMサービスであるNightscoutに対応しており、リアルタイムに(データアップロード時に)複数の人とCGMデータを共有するという使い方もできます。

The Nightscout Project | We Are Not Waiting

 

Abbott公式・非公式のいずれにせよ、現状はiOSには対応していません。残念。

 

Abbott公式のPCソフトウェアもあります。

FreeStyle Libre | Disclaimer

こちらもVPNソフトなどで欧州のサーバを経由しないとダウンロードできません。

しかし、このソフトウェアのAGP解析がとても優秀です。こちらは本体がないと動作しません。

AGPとは、

Diabetes Education for Ambulatory Glucose Profile - Diabetes Frontier

Ambulatory Glucose Profile - Wikipedia, the free encyclopedia

Ambulatory Glucose Profileの略で、CGMデータの解析法の一つです。
AGPはRoger Mazzeが1987年に提唱したのがはじまりです。当時はSMBGの頻回測定データをプロファイリングしたものでしたが、その概念がCGMにも適応できることがわかりました。CGMSMBGに比べ、情報量が多く、どういう手法で解析するべきか困ってしまいます。AGPはむしろCGMにこそ適した解析法だとして、注目されています。 

使用開始

使い始めは簡単です。

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▲入っているのはネスレポーションみたいなの(画面上中央)と、それを腕に打ち込むためのインサーター(画面左上の灰色のモノ)、消毒綿です。
端末(nexus 7)にはLibreLinkがインストールしてあります。

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ネスレポーション(仮)を開けるとこんな感じ。これに...

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▲灰色のインサーターをぶっ刺します。

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▲とりゃぁ

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▲すると、針が飛び出ます。

これを腕にあてがって、ドスッと押し込むと...

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▲こんな感じに張り付きます。押し込んだ時にバスッとした感覚はありますが、それほど痛くはありません。半日ぐらいは何かが刺さっている違和感が残る感じがありましたが、その後は気にならなくなりました。

 

後は、これに本体またはAndroid端末を近づけて、スタートさせます。

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最初の読み取りから60分後に使用できるようになります。簡単簡単。

 

という感じで、使用開始編は終了。

次回は、620G Enliteとの比較などを中心に、実際の使用感をレビューしていきたいと思います。

Libreを使い始めて その1

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お久しぶりです。
数か月ぶりの更新です。

夏真っ盛りです。

各地ではサマーキャンプが開催されていることでしょう!

私もこの夏始めて地元のサマキャンを見学させていただきました。

先輩キャンパーが新人キャンパーの面倒を見ている姿がとても印象的でした。キャンパーはみんな逞しかった!自然よありがとう!
普通じゃ体験できない、1型糖尿病だからこそ体験できる、そんな環境だと思います。

 

さてさて、夏に合わせて、私は話題の Abbott Free Style Libreを手に入れてみました。

Type 1の皆さんならどこかで聞いたことはあるかと思います。CGMならぬFGM。メドトロニックのCGMとは何が違うの?というと何と言っても補正が要らないという点じゃないでしょうか。

 

ではではLibreを紹介していきます〜

 

そもそもLibreって何?

FreeStyle Libre | Disclaimer

公式ページ

 

http://www.carbofree.jp/smbg/freestyle-libre/

個人輸入した方のレビュー

 

www.youtube.com

使い方説明動画

 

簡単に言うと Libreは、

1. 腕につけたセンサーが2週間の間、

2. 間質液糖質量を記録して、

3. 知りたい時にNFCSuicaとかPasmoみたいな技術)でその都度読み取る。

 

という機器です。

 

既存のリアルタイムCGM(620G Enlite)は、

1. 6日間持つセンサーにトランスミッターをつけて、

2. トランスミッターが5分ごとにポンプにデータを送って、

3. いつでも間質液糖質量を知ることができた

 

という感じ。

 

じゃあ、620G Enliteとはどう違うのというと、

1. センサー寿命が延びた:6日→14日

2. リアルタイムではない:NFCによる通信でその都度データを読み取る

3. SMBGによる補正が不要(*必ずしもSMBGの完全な代替にはなりません)

 

620G Enlite・Libreともにいいところ、イマイチなところはあります。

 

なぜ、私はLibreを使いたかったのか

620GとEnliteシステム(SAP)を使ってみて、血糖値は点で知るのではなく、線で知らなければならない!と強く感じるようになりました。

測った時の血糖値が下がり調子なのか、上がり調子なのか、それとも横ばいなのか、ということはSMBGだけではどうしても知ることができないのです。

しかし、線で知るためにSAPを使い続けるのは、大変な労力を要します。

なぜなら、現状のSAPは、以下の欠点があるからです。

SAPの欠点

1. センサー寿命は公称で6日。しかし、4-5日使えればいいところ

2. 使い始めや、再接続時に、最長2時間のウォームアップが必須

3. 初回6時間後、最長12時間毎のSMBGによる補正が必須

 

センサーの寿命については12-18日(2-3回使い回す)まで使えるよ!という報告もあるようですが、私自身の経験では、ベストなデータが取れるのは4-5日間がいいところで、それ以降はガタガタになってしまいますし、補正のタイミングも短くなってしまう印象です。

仕事をされている方など、決まった時間に補正できない方も多いのではないでしょうか。いちいち要求されるのが、たまらなくうっとおしかったりします。

 

Libreの位置付け

LibreはFGMFlash glucose monitoring)と公称されているように、リアルタイムな持続測定ではなく、読み取りたい時に、その時点までの血糖変動データを吸い出すという方式です。

技術はCGMと同じですが、考え方としてSMBGの延長にあるように思います。

今までのSMBGでは点でしか分からなかった情報を、測定した時点までの変動として知ることができるツールなのです。

 

Libreを買った決定打

1. SMBGする時の手間 → 端末を腕のセンサーに近づけるだけ

2. SMBGでは点でしかわからない → 測定時までの変動がわかる

3. リアルタイムCGMは準備が煩雑 → センサーを腕につけるだけ!

 

 

とりあえず本日はここまで。

後日、レビューを更新します

インスリンポンプサロンに参加してきました

サマリー

  • インスリンポンプサロンに今回はじめて参加させていただいた。
  • インスリンポンプサロンとは、ポンプに興味があるMDIの人・CSIIの人・SAPの人やその家族、医師そして医療従事者が一堂に会して情報交換する場。
  • 参加される先生・ご講演なさる先生には、ご自身も1型の方が多い。
  • グループディスカッションが熱い!患者や医療従事者を交えた討論が、双方にとってとても勉強になる。
  • 次回は9月開催予定。そのころには、またなにか新しい治療ができるようになっているかも?
  • わたしが払った旅費はSAP一ヶ月分よりかかってしまった(;´Д`A
  • 本記事は、インスリンポンプサロン参加者としての感想をまとめたものです。詳細な医療情報は専門機関でご確認ください。

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