Libreを使い始めて その2
前回はLibreの概要と、購入するに至った理由について触れました。
どうやって購入したのか、使い始めるにはどうしたらいいのかを解説していきます。
Libreの使い方
購入
日本では厚労省の認可はおりたそうですが、点数をどうするのか、SMBGに対してどういう位置付けにするのかについて結論がついておらず、保険収載がいつになるのか全く見当がついていない状況のようです。来年になるか、再来年になるか。。。
Libreは欧州では一般向けに販売されており、Abbottのホームページに直販サイトも用意されています。しかし、これらには欧州各国以外の国からはアクセスできないようになっており、もちろん直販サイトからの購入や発送はできません。
そこで、世界中のモノが集まるeBayを見てみると、こんな感じです。
1.5倍から2倍の価格で流通しているようです。
私はというと、どこで購入したかは言いませんが、定価の1.6倍で購入しました。高い高い。
準備
本体の言語と単位は後から変更できない
Libreはセンサーと本体が別に売られており、両方を揃える必要があります。
本体の方は、他のFree style SMBGシリーズのSMBGセンサーを利用して血糖値も測定できるスグレモノです。
しかし、注意したいのは、言語と単位です。
言語設定と単位(mmol/Lかmg/dLか)は本体ごとに固定されていて、後から変更できないのです。
例えば、「英語しか読めない!」と言ってEnglandバージョンを買ってしまうと、単位が「mmol/L」になってしまって、大変使いづらいものになってしまいます。
逆にドイツは「mg/dL」表記ですが、果たしてドイツ語読めるのか....
とはいえ、言語を読めなくても、やることは、腕につけたセンサーにかざすだけなので、それほど困らないと思います。
単位についてもmmol/Lからmg/dLの変換は18をかけるだけですので、すぐに感覚的に慣れると思います。
センサーはどこの国でも同じように使える
本体とセンサーの販売国が違っていても同じように使えるので心配いりません。センサーには単位の別もありません。
実は本体は必要ない
なんと、本体がなくてもCGM(FGM)データを吸い出すことができるのです。
Libre向けのAppは色々公開されていますが、以下の2つがオススメです。
- LibreLink
- Glimp
LibreLink - Google Play の Android アプリ
Glimp - Google Play の Android アプリ
LibreLinkはAbbott公式の無料Appです。こちらをインストールするには、欧州のサーバを経由する必要があり、Hotspot ShieldのようなVPNアプリが必須です。
VPN Proxy 無料 -フィルタリング, ブロックを解除 - Google Play の Android アプリ
Glimpは無料の非公式Appで、単位も自由に選べますし、SMBG値・インスリン量・カーボ量なども入力できます。ただGUIはダサいです。
LibreLinkはLibreの本体(reader)と同じく、センサーの値を自動で補正して表示してくれます。つまり補正が要らない、キャリブレーションフリーです。対して、GlimpはAbbottが開発したキャリブレーションフリーシステムの恩恵に授かれないので、読み取ったデータは若干誤差があります。不定期にSMBG値を入力してあげることで、補正する仕組みになっています。
LibreLinkでスターティングアップしたセンサーをGlimpで読み取ることもできますが、GlimpでスターティングアップしたセンサーはLibreLinkでは読み取れないので注意が必要です。
また、Glimpは、ネット上にCGMデータを保存して閲覧できるCloud CGMサービスであるNightscoutに対応しており、リアルタイムに(データアップロード時に)複数の人とCGMデータを共有するという使い方もできます。
The Nightscout Project | We Are Not Waiting
Abbott公式・非公式のいずれにせよ、現状はiOSには対応していません。残念。
Abbott公式のPCソフトウェアもあります。
こちらもVPNソフトなどで欧州のサーバを経由しないとダウンロードできません。
しかし、このソフトウェアのAGP解析がとても優秀です。こちらは本体がないと動作しません。
AGPとは、
Diabetes Education for Ambulatory Glucose Profile - Diabetes Frontier
Ambulatory Glucose Profile - Wikipedia, the free encyclopedia
Ambulatory Glucose Profileの略で、CGMデータの解析法の一つです。
AGPはRoger Mazzeが1987年に提唱したのがはじまりです。当時はSMBGの頻回測定データをプロファイリングしたものでしたが、その概念がCGMにも適応できることがわかりました。CGMはSMBGに比べ、情報量が多く、どういう手法で解析するべきか困ってしまいます。AGPはむしろCGMにこそ適した解析法だとして、注目されています。
使用開始
使い始めは簡単です。
▲入っているのはネスレのポーションみたいなの(画面上中央)と、それを腕に打ち込むためのインサーター(画面左上の灰色のモノ)、消毒綿です。
端末(nexus 7)にはLibreLinkがインストールしてあります。
▲灰色のインサーターをぶっ刺します。
▲とりゃぁ
▲すると、針が飛び出ます。
これを腕にあてがって、ドスッと押し込むと...
▲こんな感じに張り付きます。押し込んだ時にバスッとした感覚はありますが、それほど痛くはありません。半日ぐらいは何かが刺さっている違和感が残る感じがありましたが、その後は気にならなくなりました。
後は、これに本体またはAndroid端末を近づけて、スタートさせます。
最初の読み取りから60分後に使用できるようになります。簡単簡単。
という感じで、使用開始編は終了。
次回は、620G Enliteとの比較などを中心に、実際の使用感をレビューしていきたいと思います。