Libre日本正規版を使ってみた
久々の更新です。
先月のLibre proの保険収載に引き続き、先日から保険外でのLibre(無印)の販売が開始されましたね。
今回、病院持ち出しで2週間おためしさせてもらえることになったため、Libreのレビューをしたいと思います。
目次
同梱物
箱を開けると、本体、充電器(AC/DCアダプタ)、USBケーブルと取説が入っています。
本体には、USB micro端子があり、充電やPCとの通信はUSBケーブルで行うことができます。
充電器の規格は、出力が5 V, 200 mAで、手持ちのiPhoneの5V 充電器でもLibreは充電できました(寿命を縮めているかもしれませんが...)。
ソフトウェア
Minimed 620Gと違い、個人でもソフトウェアを使ってデータを取り込めます。
専用ソフトはアボット社の公式webページからダウンロードできます。
血糖測定関連製品 | 医療関係者の皆様 | アボット ジャパン
レポートはPDFで書き出せるほか、生のデータをtxt形式で書き出せます。
専用リーダー
専用リーダーはただのリーダーではありません。
できることはたくさんあります。
リーダーでできること
まず、画面はタッチパネル。ただ、タッチの感度はよるあるスマホほどは良くないです。あきらめましょう。
読み取り時に、インスリンとカーボ、そして運動などのイベントも一緒に記録できます。
このイベントは、インスリンだと速効型・持効型の別やそれぞれの単位数も入れることができます(逆に単位を入れないこともできます;その場合、レポートには注射のマークだけが表示されます)。
また、PCソフトウェアを通じて、自分の好きなコメント・イベントを作ることもできます。例えば、「ベーサル中止」とか「犬の散歩」などなど。
さらに、専用チップをつかうとSMBGも可能です。
SMBGの挙動がどうなるのか試せていませんが、おそらくPCソフトウェア上でも記録が反映されるはずです。(つまり、minimed 620Gと同様、CGMと血糖値を一元管理できる!)
リーダーでできないこと
SMBGを手入力で記録することはできませんし、たとえチップで読み取った血糖値とFGMの数値に乖離があっても補正されることはありません。
また、インスリンやカードなどのイベントは、直近の読み取り情報にのみ付加できます。
どういうことかというと、リーダーをセンサーにかざして血糖値を読み取ります。その時、編集ボタンが表示されて、インスリンやカーボなどを入力できるようになるのです。しかし、例えば10分後にまた読み取ったとすると、10分前の読み取り結果にはインスリンなどのイベントを入力することができなくなってしまうのです。
「あとで入れておこー」などと考えていると、入力できなくなってしまいますので注意しましょう。
もう一つ、minimed 620Gで便利だなーと思っていた、「残存インスリン機能」はありません。
リーダーは充電式
電池はフル充電で3-4日ほど持つような印象です。毎日こまめにPCと接続している人なら、接続中に充電されますから、あえて充電の時間を作らなくてもいいかもしれません。電池切れで困ることはなさそうです。
読み取れるのは専用リーダーだけじゃない!
リブレはNFCの技術を使ってリーダーと通信しています。
海外(欧州)はAndroidアプリ「LibreLink」が公開されており、スマホでデータの読み取りや、レポートの作成ができます。
しかし、このLibreLinkは日本ではダウンロードできませんし、そもそも日本版のセンサーを読み取ることができません。
(こんなエラーが出てしまいます。残念...;画像は後日)
しかし、サードパーティとして、有志が開発した「Glimp」というアプリは使用することができます。
このGlimpも公式アプリや専用リーダーと同じようにデータの読み取りができるのですが、読み取った数値は公式のものとは若干異なっています。
Glimpの公式ページにも解説があるのですが、LibreLinkでは企業秘密の数式によって読み取った「生」の情報を加工・較正しているのです。
当然のことながら、Glimpにはその万能な数式は使えません。そこでGlimpではSMBGによって較正することで、正確性を担保する必要があります。
この辺の使い方は、medtronicのエンライトセンサーと同じです。
▼このように赤とピンクの2本の線が表示されます;ピンクがraw data
(http://www.deebee.it/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/glimp_cgm_eng.png)
どこで買えるのか!?
現在は、保険外ということもあり、積極的な販売は行っていないようです。
糖尿病診療に積極的なクリニックや病院、薬局では少しずつ取り扱いが増えているようです。
楽天市場では定価よりはるかに高額ですが出回っているようです。
↓こんなサイトもみつけました。
保険収載はいつになることやら、
3月という噂も、9月という噂も聞こえてきます。
糖尿病診療の歴史を変える機器(と思っています!)だけに、今後の動向が気になります。とんでもない事故が起こって、お蔵入り、ということにならないことを願います。
個人購入するのであれば、節度ある利用をしていきましょう(?)!